私が憧れたのは、「色素が薄くて、猫っ毛の柔らかい髪」。
でも実際は、「太くてたくましい、直毛」。
猫っ毛の友人と話をすると、「猫っ毛にも悩みがあるよ」と言いますが、私にはその柔らかい雰囲気がかわいく、愛おしく映ります。
私の太くて真っ黒な直毛は、どこか野暮ったく感じて嫌でした。特に学生の頃はカラーが禁止されていたので、憧れは強まるばかり…。
高校を卒業すると同時に、髪を染めました。それが嬉しくて、パーマもかけてふわふわのロングヘアを手に入れました。
しかし、新たな悩みができたのです。それは、髪の傷みでした。
太い髪と細い髪が混ざったり、毛先は枝分かれしたりと、髪は傷んでいくばかりです。
憧れを求めてカラーやパーマを繰り返すうち、髪の健康を失ってしまった。
毎日の手入れも不足していたのでしょう。
これでは別の意味で野暮ったいと思った私は、カラーをやめ、数年かけて地毛に戻しました。
現在は入念な手入れとともに、前髪のみポイントパーマをかけています。
垢ぬけたいと願った若いころは、自分にないものばかりを求めていましたが、自分の良さを生かしたヘアスタイルも悪くないなと気づきました。
「太い髪は健康的で、ロングヘアはきちんと手入れすれば、上品な印象になる」。
やはり今でも、柔らかい髪質には憧れます。
しかし、「ないものねだり」とよく言うように、自分が持っていないものに惹かれたのでしょう。
「髪質の悩み」については、まず自分の個性を好きになって、そこからどう生かすかを工夫できれば解決に近づくのではと考えました。
これからの人生、身体の健康と同じくらい髪にも気遣ってあげようと思います。